「色好み」とは平安時代では、和歌の名人のこと。
「どんな女性でも心に自分をなびかせる名歌を詠む在原業平」と
「どんな男でも自分に夢中にさせる名歌を読む小野小町」では、
どちらが本気になるのか?
が、「伊勢物語」の読者の関心事だったそうです。
在原業平と小野小町を「美男美女の似た者同士」とみると面白いですね!
さて、在原業平の和歌と英訳をみつけました。
旅によって、都で苦しめた世俗的な時間から解放された様子が描かれています。
A mountain that knows
No season is Fuji's peak:
What time of year
Does it think it is, to snow
In patterns mottled as a fawn?
時知らぬ
山は富士の嶺(ね)
いつとてか
かのこまだらに
雪の降るらむ
「富士山は、常識的な時間の流れの埒外にあるのだな。今は夏の盛りなのに、いったい今をいつと思って、鹿の毛皮の斑点のように雪が消えのこっているのだろうか(島内景二2010)」
<参考文献>
■日本語
島内裕子・渡部泰明 2010 和歌と心と情景 放送大学教育振興会
Edwin A. Cranston. 2006 A Waka Anthology: Grasses of Remembrance. Stanford Univ Pr.
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